小児矯正
こんにちは。
日に日に寒くなって、新発田でも雪が降り続けていますね。
そろそろ雪かきも必要になるのでしょうか…
さて、今回は10歳の男の子の矯正治療のご紹介になります。
主訴は前歯が出ていることで、上の前歯が下の前歯に比べて平均よりも大きく前方に突出しています。
当院では矯正治療をお勧めする場合、永久歯への交換が全て終わってからの事が多いです。
矯正治療のゴールは永久歯列での健全な咬合であり、闇雲に早期に始めても矯正期間が長期化するからです。
ただ、早めに矯正治療をお勧めする場合があります。
①明らかに永久歯の萌出スペースが不足して生え変わりを待つと抜歯が必要になるケース
②歯並びが原因で発育に影響を起こしうるケース
の2つの場合です。今回の症例は②に該当します。
上の前歯の影響で口が閉じづらく口呼吸を起こしていました。
歯科的には口呼吸により口唇の筋肉が働かないのでさらに前歯が前方に移動していくこと、口腔内の乾燥により虫歯や歯周病のリスクが高まることが挙げられますが、全身への影響として扁桃腺の肥大や感染症のリスク増大、酸素の供給量が少なくなることで起きる集中力の低下、睡眠時のいびきやそれによる睡眠時無呼吸症候群のリスク増加などが報告されています。
さらに、前歯部の前方への突出(過大なオーバージェット)はぶつけたときに歯への影響(外傷のリスク)を誘発する可能性が2倍程度に上昇するとの論文での報告もあります。(言われてみれば当たり前かもしれませんよね。笑)
以上の理由から永久歯への交換が完了する前のこの段階で矯正治療を開始いたしました。
10か月後の口腔内です。
主訴である上顎前突は改善し、お口もしっかりと閉じるようになりました。
ただ、口呼吸は歯科でいう悪習癖の一つに挙げられます。
治療した前歯の関係を維持するためにも、現在の癖を改善しお口を閉じて鼻で息をする習慣をつけてもらう必要があります。
その点については今後の定期健診の中で診ていく予定です。
長い間の治療を頑張っていただきお疲れさまでした。これからもよろしくお願いします。
現在まるやま歯科医院では、お子さんの口腔機能発育不全症への対策に力を入れています。
口呼吸や安静時の舌の位置の移乗によって、下や頬の筋力低下が起こります。
専用の検査器具を取り揃えていますので気になる方はお気軽にお声がけください。(検査、トレーニングは保険診療で対応可能です。)
勿論疑いのある患者さんに関してはこちらからもお声がけさせていただきます。
その時はぜひともよろしくお願いします。
※症例紹介はすべて患者さんの承諾をいただいて掲載させていただいています。
治療装置 インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)
治療期間 10か月
費用 385,000円(税込)
代表的なリスク 痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮
※マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置は完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。